G28E2、自衛隊が900挺導入する600m圧倒的最強の新狙撃銃

G28E2、我が自衛隊が手にした「600mの決定打」

G28E2が、ついに我が陸上自衛隊(JGSDF)の新たな引き金となった。ドイツのヘッケラー&コッホ(H&K)が手がけたこの半自動狙撃銃は、2023年1月に防衛省の次期狙撃銃として選定され、「7.62mm対人狙撃銃 G28E2」の制式名で各普通科連隊への配備が始まっている。老朽化したM24に代わるこの一挺が我々に何を意味するのか、事実だけを丁寧に整理した。

G28E2とは何か

G28は、H&Kの7.62mm自動小銃HK417をベースに、民間向け精密銃MR308を経てドイツ連邦軍向けに磨き上げられた指定射手用ライフル(DMR)である。突撃銃と本格的な狙撃銃の隙間を埋める一挺で、米陸軍が同系列をM110A1として採用しているほど信頼性が実証されている。

我々が導入したのは標準型の制式であるG28E2だ(軽量パトロール型はG28E3)。最大の変化は「半自動」であること。一発ごとにボルトを手で操作するボルトアクションと異なり、迅速な再射撃と複数目標への対応が可能になる。さらにHK417のアルミ合金製アッパーレシーバーをスチールに変更し、耐腐食性と剛性を高めた点は、海に囲まれた我々にとって意味が大きい。

なぜ国産ではなくドイツ製なのか

日本の読者ならまず浮かぶ疑問だろう。我々は20式小銃を豊和工業が国内生産しているが、7.62mm級の半自動狙撃銃には量産実績のある国産プラットフォームが存在しなかった。すでにドイツ軍と米軍が実証した設計を導入する方が合理的だったわけだ。

もう一つ、従来のM24は米国のFMS(対外有償軍事援助)で調達したため、米軍の都合が優先されて納期が大きく遅れた前例がある。H&Kから直接購入すればこの遅延を回避できるという点も背景として挙げられる(ただしこれは公式な理由ではなく、識者の解釈である)。

M24と何が違うのか

防衛省が示した公式の理由はシンプルだ。「現有の対人狙撃銃(M24)の後継」であり「射撃性能の向上」である。M24は2000年代初頭に米レミントンM700を基に導入され、長く自衛隊狙撃手の主力だったが、ボルトアクションの一発一発では今日の作戦テンポに追従しづらくなっていた。

G28E2の半自動方式は、状況変化に応じた迅速な再射撃と、複数目標への連続対応という即応性をもたらす。ただし冷静な指摘もある。G28はHK417と約75%の部品を共有するが、我が自衛隊はHK417を運用していないため、その互換性の恩恵を実質的に受けられないのだ。

ひと目でわかるG28E2の主要諸元

項目内容
口径7.62×51mm NATO
作動方式ガス圧作動(ショートストロークピストン)半自動
銃身長約419mm
本体重量約5.8kg(付属装着時 約8kg)
有効交戦距離約600m
精密制圧射撃約1,000m
命中精度10発で約1.5MOA(100m)
アッパーレシーバースチール(HK417はアルミ)
装弾10・20連弾倉

超長距離の一撃を狙う対物狙撃銃ではない。むしろ600m前後で速く正確に、途切れなく目標を制圧する均整型の一挺だ。付属を全て装着すると約8kgに達し、「重い」という評価がつきまとう点は正直に押さえておきたい。

自衛隊仕様 — なぜアメリカ製スコープなのか

興味深いのはここだ。ドイツ標準のG28E2は通常Schmidt & Benderのスコープを載せるが、我が自衛隊の調達仕様は米国Leupold MK5HD 5-25スコープに、B&T製サプレッサー、ハリス製バイポッド、垂直グリップを組み合わせている。ドイツ製の銃にアメリカ製光学を載せた「混成構成」というわけだ。

2025年12月に公開された水陸機動団の実射映像では、ここに補助照準(EOTech)とヘンゾルト(Hensoldt)の暗視クリップオンまで加わった姿が確認された。昼夜・近中距離を問わない構成で、我が狙撃チームの実力が一段引き上げられたことを示している。

G28E2、自衛隊が900挺導入する600m圧倒的最強の新狙撃銃
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G28E2、自衛隊が900挺導入する600m圧倒的最強の新狙撃銃

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価格と導入規模

G28E2の量産単価は約700万円。防衛装備庁の資料を基にすると、約900挺の取得を前提とした事業規模は約93億円で、スコープやサプレッサーなどの付属を含めた数字である。

調達は見慣れた日本式の年次発注で進む。契約相手は新成物産で、2023年度182挺(約14.2億円)、2024年度195挺(約15.1億円)に続き、2025年度は156挺の契約が予定されている。一度に投じるのではなく、数年をかけて着実に満たしていく方式だ。

「狙撃銃」か「マークスマンライフル」か

呼称をめぐっても話題がある。我々は「対人狙撃銃」と呼ぶが、米軍は同じ銃を分隊指定射手ライフル(SDMR)、つまりマークスマンライフルとして運用する。正規の狙撃手が600m超の超精密射撃を担うのに対し、マークスマンは分隊・中隊単位で中距離の精密火力を即座に投射する「即応射手」に近い。

G28E2はその境界に立つ一挺だ。精密性は狙撃銃に、即応性はマークスマンに跨り、「呼称が何であれ隙間を埋める」という点こそが本質である。

小さいが明確なシグナル

G28E2の導入は派手な新兵器イベントではない。だがボルトアクションから半自動への転換、国産ではなく実証済みの海外設計の直接購入、普通科部隊全般への拡大という三つの場面は、我が地上戦力がどこへ向かうのかを鮮明に映し出している。静かだが、決定的な一歩である。you

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