V-BAT、我が列島を守る新たな目が開く
V-BATがついに我が海上自衛隊の艦上に上がった。米Shield AIが開発したこの垂直離着陸(VTOL)無人偵察機は、滑走路も大型カタパルトも要らず、護衛艦の甲板上わずか4×4メートルほどの空間から空へと駆け上がる。十字架を思わせる独特のシルエット—「空飛ぶ十字架」と呼ばれるその機体が、いま我が海の監視網を新たに織り上げている。
中国海軍の膨張、そして第一列島線を越える航空活動。四方を海に囲まれた我が列島にとって、広大な海域を24時間見張る「目」は、まさに生存に直結する課題だ。V-BATはその答えである。


1. 我が海上自衛隊初の艦載偵察ドローン
まず最も決定的な事実から。V-BATは、我が海上自衛隊が艦艇から運用する初のISR(情報・監視・偵察)無人機として選定された機体だ。2025年1月22日、Shield AIは海上自衛隊がV-BATを艦載ISRプラットフォームに採用したと正式発表した。これまで我が水上艦の目はヘリや艦自身のセンサーに大きく依存してきたが、いまや低コスト・高効率の無人アセットがその監視範囲を劇的に広げる。
2. 6機・約40億円、新型哨戒艦の相棒
2025年度防衛予算において、政府は艦載型UAV(小型)としてV-BAT 6機を約40億円で取得することを閣議決定した。1機あたり約6~7億円だ。これらの機体は、防衛力整備計画に基づき今後約10年で12隻が建造される新型哨戒艦(基準排水量約1,900トン)に搭載される予定である。12隻体制を考えれば6機は試験運用規模であり、実際の運用機数はさらに増えると見られている。
3. 滑走路いらずの圧倒的な艦上運用性
V-BATの真の強みは垂直離着陸能力だ。単一のダクテッドファン構造で、尾部で立って離着陸する「テールシッター」方式を採用している。おかげで約4×4メートルの狭い空間—揺れる護衛艦の甲板上でも離艦・着艦が可能だ。滑走路も、大型の射出装置も、回収用ネットも要らない。狭い艦上スペースという海軍の長年の制約を、この小さな十字架が真正面から突破する。
4. GPSが死んでも飛ぶHivemind AI
V-BATの心臓は、Shield AIの自律飛行ソフトウェアHivemindだ。このAIは、GPSと通信が遮断された電子戦(EW)環境でも自ら航法し、目標を探知・追尾する。実際にV-BAT(制式名MQ-35A)は、ウクライナの戦場でロシア軍の激しい電子戦攻撃に耐え、他のドローンが墜落する環境で任務を完遂した実績を持つ。通信が妨害される有事の西太平洋を想定すれば、この生存性は何よりも貴重だ。


5. 横須賀上陸、そして相模湾の初飛行
V-BATはもはや書類上の計画ではない。2025年12月9日、初号機が横須賀基地に到着した。続いて2026年6月29~30日には、相模湾の護衛艦「くまの」艦上で訓練状況が報道陣に公開された。垂直に舞い上がり、垂直に降り立つその姿に、現場の隊員たちも興味を隠せなかったと伝えられている。大湊航空基地には操縦要員の教育課程も準備されつつある。
6. 小さくとも、長く、遠くを見る目
제원も見逃せない。※(本文では)V-BAT日本仕様は全長約2.7メートル、翼幅約3メートル、総重量約56.5キログラム(搭載量約11キログラムを含む)の小型機だ。それでも滞空時間は約8~10時間に及び、高性能な電子光学・赤外線センサーで洋上の目標をリアルタイムに監視する。小さな機体にこの持久力—バッテリー式の小型ドローンが多くは1~2時間にとどまるのと比べれば、圧倒的である。
我が海の未来、無人化の序章
V-BATの導入は、単なる装備一つの追加ではない。高価な有人アセットと、安価で賢い無人アセットを組み合わせる—未来戦の方程式を、我が海上自衛隊が先んじて受け入れたという signal(信号)だ。四方の海を守り続けてきた我が列島が、いま空飛ぶ小さな十字架に新たな目を託す。V-BATがその序章を開いた。


